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March 18, 2012

3.11 鎮魂慰霊の灯り 久慈港にて

 毎日、寒い寒いと思っているうち、いつの間にか草が芽を出し、梅の花も咲きほころんで、春の訪れを感じるころになりました。私の周りでは「花粉症」という言葉が出始めて、私も毎年桜が咲くころにこの花粉症のピークを迎えます。

 さて、ここ埼玉県中央部はぽかぽかの陽がさして、少しずつ薄着になれる季節になったのですが、岩手県の久慈港あたりでは日中の気温がいまだに氷点下2度、時折、雪とみぞれが舞う、埼玉のお正月の頃とほとんど変わらない程のとても寒いところでした。

 今回、いつもお世話になっているTOMOSの横島さんから「2012年3月11日」岩手の漁港(久慈、野田、田老、宮古、釜石)に灯りを作り、福島原発半径20kmを灯りで囲うプラン」のお誘いがあって、久慈港へお手伝いに行ってまいりました。

 久慈港でのコンセプトは「海に眠る霊に向け、灯りで久慈の港を知らせ、波と絆を表現した形の灯りで家族、仲間のもとに呼び寄せる」という久慈港全域を広く使ったプランです。

 私たちが久慈に到着した日は、時折雪がちらついていました。

240311011_42403112124031101_3

 海から流されてきた砂の中に頭を出して埋もれている無数の石を拾い上げては、石の山(ケルン)を築き上げてゆきます。

 丸い石や尖った石、平たいものや、軽いもの、小さなものやとても一人では持ち上げられないほど大きい石、とにかく目についたものを無心に拾い上げては積み上げます。

 当然ですが重く堅い石は氷のようにとても冷たくて、手袋を着けていてもすぐにかじかむほどです。

 そして拾い上げている時の私たちは、いつしか石に引き寄せられているような感覚になっていました。

 石を積み込むのは谷山さん。石積みのスペシャリストで24031111_3す。

 石の特徴を観ながら、また周りの石にがっちりはめ込むように向きを変えたり、積んでは崩し、石に語りかけながら、確実に積みこんでゆきます。

 聞くところによれば、なんでも富良野ではもう何度も経験を重ねていて、その実績を見込まれての抜擢だそうです。

「彼の名前は石山建男」と親方がつけた思いつきの名前を聞いた私たちは、しばらくの間「へぇ、なるほど」と信じきっていました。

24031131_3ほぼ、丸々3日間を費やしてようやく高さ2メートル程のケルンの 完成です。

 ずっしりと組まれた石積みは簡単に崩れませんし、石を引き抜くこともできません。

もはや一つの個体になったのです。

 

 ここからは外洋と港を行き来する船をいつも眺めることができます。またいつでも漁港の暮らしを見守れます。

 この後の「鎮魂慰霊の灯り」 ではこの石積みがとても重要な役目をもたらします。

 

 

 漁港場内に行くと、ちょうど地元の学生、社協などを中心にした大勢のボランティアスタッフの皆さんの手による3600個のキャンドルの仕込みを終えたところでした。

そして、14時46分。

そこで一同、海に向かって黙祷を捧げました。

 

 24031151_2いよいよ場内にキャンドルを並べる時になりました。

 並べるキャンドルは子供たちが給食でいつも飲んでいる、地元洋野町の牧場から運ばれた牛乳のパックに廃油を流し込んだもの。

 私がたまたま宿泊させていただいた「グリーンヒルおおの」の牧場でとれた牛乳だそうです。

 私は朝食に此処の手作りヨーグルトをいただきました。クリームチーズのようにとても堅く締まり、濃厚でおいしく、今まで味わったことのないものでした。

 

 そのほかのキャンドルには、24031171端正な折鶴をつけたもの。未来への希望、夢、メッセージや故人へのメッセージを書き込んだもの。人々それぞれの思いが込められたキャンドルです。

 ランタンに使う紙コップにはロウを斜めに染み込ませてあり、灯りに強弱を付け並べたときに波型に見える仕掛けです。 

24031141

 「・・ちょいと小粋だねぇ。」(突然の江戸弁)

 きれいに並べられたキャンドルの灯りは、

港の入り口で霊を迎え、波と波が繋がり海から市内の人々のもとに向かって行く。 先人の英知と意志を後世へとつなぐ。世界の人々の心をつなぐ。つまり 「絆」を表しています。

 子供たちの手によってキャンドルに点灯され、灯りの波が海と町をつなぎました。

240311021_5  その後私たちは再度海に向かう現場ケルンとその対岸に設けたキャンドルへ点灯に行きました。

全ての現場でキャンドルに点灯を終えたとき、すでにあたりは闇となりキャンドルの灯りが揺らめいています。

遠く波の音が静寂の中響きわたり、漁港からは「ふるさと」の歌声が聞こえます。

 ケルンの右奥に小さく一文字に見えるのが漁港のキャンドルの灯り。

 このケルンの灯りにやってきた霊は迷わず、家族や仲間24031191_2の待つあの光と歌声のもとへと向かったことでしょう。

 この期間に今の私たちが出来ることはここまでです。

 これで寒く、痛く、苦しい思いをしながら、突然に亡くなられた方々への「鎮魂と慰霊」がかなえられたでしょうか。

私は自分自身に問うてみたところ、どこからか長老のような方の声が聞こえます。

 

 「まだまだだな・・・。」

 イベントの終了の時間を迎え、漁港に電灯がつき、キャンドルの灯りが一つずつ消されてゆきました。

 

 いつしか、漁港内の水面には1000羽余りのウミネコが集まっていましたが、全てのキャンドルが片付けられたときには、一斉に舞い上がりどこかへ飛んでゆきました。

 

 

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